連続繊維補強とは

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各項目へリンクしてご覧いただけます。
・ 構造物補強の必要性・ 連続繊維補強工法の特長
・ 耐震補強の概要リンク集・ 連続繊維補強工法の種類
・ 耐震補強と連続繊維補強工法・ 国土交通大臣指定材料

構造物補強の必要性

十勝沖地震 宮城県沖地震
平成7 年1 月17 日に発生した阪神・淡路大震災は、大都市を直撃し、死者6,400 名余、負傷者4 万3 千名余、 被災建築物総数約44 万棟という戦後最大規模の災害をもたらしました。 平成23 年3 月11 日には三陸沖を中心とするマグニチュード9.0 の巨大地震(平成23 年度東北地方太平洋沖地震)が発生し未曽有の大災害を引き起こしました。昭和56年に施行されたいわゆる新耐震設計法以前の基準で設計された建築物の被害が顕著に表れ、 一方で新耐震基準で建てられたものは比較的軽微な被害であったことから、 補強によって現行基準をクリアする耐震改修の必要性が強く求められています。
土木分野においても、大震災を契機として構造物の耐震性向上が求められ、 道路橋・鉄道高架橋・地下鉄中柱などの補強が進められています。
また、耐震補強ばかりでなく載荷規制緩和にともなう道路床版・桁などの補強対策も急がれ、 さらにはトンネル・高架橋などからのコンクリート剥落問題の対策にも関心が高まっています。これらの状況を背景として、また、社会資本の有効活用という観点からも、 既存構造物を補強することによる安全・防災対策は、我が国にとってますます重要な課題となってきています。

耐震補強の概要リンク集(PDF)

耐震補強の概要について、公的機関が公表している解説サイト(2021年12月現在)を「1. 地震と建物被害」「2. 耐震補強の背景と現状」に整理いたしましたのでご参照下さい。
耐震補強の概要リンク集(PDF)

耐震補強と連続繊維補強工法

耐震補強には、概略次の3つの方法があります。
  • ①強度抵抗型補強
  • ②靱性抵抗型補強
  • ③併用型補強
連続繊維補強工法は、このうちの靱性抵抗型補強の一つです。
柱を連続繊維シートで補強して変形性能を大きくし、地震力に抵抗する工法です。柱のせん断破壊を防止するために、柱のせん断補強鉄筋の不足を補うものです。したがって、連続繊維シートは、柱の長さ方向に対して、直角の方向に貼り付けることが基本となります。
そのほか、梁や桁、橋脚や床スラブ、煙突などの部材には曲げ破壊を防止する曲げ補強も用いられます。一般に曲げ補強は、荷重を受けた時に引張側となる部分に、部材の長手方向に連続繊維シートを貼り付けます。

連続繊維補強工法の特長

高強度・高耐久性 軽量 簡便な施工製
既存コンクリート構造物などの補修・補強技術として現在最も注目を集め、普及が図られているのが連続繊維による補強工法です。 本工法は、アラミド繊維や炭素繊維などの軽量かつ高強度で耐久性に優れた繊維を補強材料とし、 構造物の表面に接着して薄層の補強層を形成して構造体を補強する工法で、曲げ補強やせん断補強を行うのが基本です。 補強後は断面や荷重の増加はほとんどなく、構造物の使用条件に影響を与えません。 また、重機が不要で溶接などの煩雑な作業がなく、施工が安全かつ簡便に行える注目の工法です。

連続繊維補強工法の種類

連続繊維補強工法には、連続繊維シートと含浸接着樹脂の組み合わせにより、基本的には次の3種類があります。
  • ①炭素繊維/エポキシ樹脂
  • ②炭素繊維/メタクリル樹脂
  • ③アラミド繊維/エポキシ樹脂

炭素繊維シート

アラミド繊維シート

炭素繊維シート及びアラミド繊維シートによる補修補強実績は、1995年の阪神・淡路大震災以降急速に広がり、その後、2007年の中越沖地震や2011年の東日本大震災の復興時にも施工実績を伸ばしています。

国土交通大臣指定材料

平成18年国土交通省告示第314号に基づき、国土交通大臣より「許容応力度及び材料強度の指定」を受けた連続繊維補強材料は以下のとおりです。(平成13年国土交通省告示第1024号の一部改正)

連続繊維補強材に関する許容応力度及び材料強度の指定
指定材料一覧(PDF)
(2020年11月現在)
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